ラグーナ出版ブログ:2023年1月5日「あぶりだし」

こんにちは。編集部のエピンビです。
その人の遺伝的な素地は、いろいろな状況や環境にさらされることによって、あぶりだしのような感じで年齢が進むとともに出てくる傾向がある、というようなことを読んだことがある。
母や兄からも、親戚の誰それに私がだんだん似てきた、と言われるようになってきた。
自分の父を考えてみても、いい部分だけでなく、大人になるにしたがって悪い部分もだんだん気づくようになってきたけれども、なんだか父のその悪い部分もなぞるように生きている気がしてきた。もちろん、いい部分もあるとは思うのだが。
白い黒板に文字を書くみたいに、教育や周囲からの影響、読んだ本などによって、粘土でも扱うように自分はなりたい自分になれる、というわけではない。本かどこかで仕入れた知識だけれども、当てはまっていると思う。それでも、適材適所という感じで、自分のはまりこめる状況はあるのだと信じたい。
逃げることも隠れることもできず、なるようになってしまった自分がここにいる。できあがってしまった自分。目を背けたい部分、そんなの自分じゃないと思う部分、いかような感情もわいてくるけれども、そうある状態は変わりようがない。中年のおじさんとはそういうことを始終考えなくてはならない存在なのか。

注)「あぶりだし」の例えは、行動遺伝学の安藤寿康さんの新書を、「白い黒板」の例えは、タブラ・ラサと呼ばれるロックの認識論の用語を参考にしました。

 

 

 

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