【好評予約受付中】シナプスの笑い Vol.57

シナプスの笑い Vol.57

精神障がい体験者がつくる心の処方箋


なそうとするから、ならないこともある/中井久夫・著作より

メイン特集は前号に続き、令和6年4月に開催された精神医療保健シンポジウム「再発見される言葉たち 日医大会 第1回」の注目コンテンツを、連載シリーズで紹介する。今号は、ESP(旧UFE=当事者・家族のエキスパート)代表のアンドレア・プエケル氏の講演を収録。弁護士、経営者として活躍していた彼が、病によって破綻した人生を回復し、自分らしく生きる第2の人生とはー。朗らかに情熱を持ってイタリア精神医療を引っ張るアンドレアに学びたい。

サブ特集は、5月に開催された、コミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会主催「アウトリーチネット 第3回世田谷大会」より、大会報告をご紹介。中でも、弊社とのコラボ企画「再発見される言葉たち」では、当事者・家族・支援者らが自分の体験や思いを実名、顔出しで声をあげ、聴く人の感動を呼んだ。それぞれの経験知から語られた2名の記録を掲載。

「文学と精神」は、夏目漱石の『我が輩は猫である』を読み解く。神経衰弱を患った太宰自身を反映した猫が語り手だが、おもしろおかしく書かれるとりとめのないエピソードには、西洋文明の模倣により生まれた文明病や近代化への批判など、現代にも通ずる大きな課題が描き出される。さらなる効率化を求められる現代にこそ、読む必要のある作品かもしれない。鈴木氏の書評に触れてから読むと、新たな刺激を感じられそうなので、ぜひ読んでみて。

「座談会」は、京都芸術大学芸術学部文芸学科の5人をゲストに、“表現して生きること”をテーマに語った会の後編をご紹介。生きづらさを抱える若者たちに、心の病の経験を乗り越えてきた考える患者たちが寄り添い、温かく開いた空間が生まれた。同大学准教授で詩人の中村純氏も参加し、読み応えたっぷり。

「心と体に優しいレシピ」は、秋の到来に合わせ、ほっくり甘い“パンプキンタルト”を。美味しくて洒落たデザートのタルトが、トースターで作れるなんて! 簡単レシピなので、ぜひチャレンジしてみて。

他、入院患者や地域で暮らす当事者・家族・支援者らの投稿作品など、全国から集まった225作品を厳選し、掲載。さまざまな状況にあっても、声をあげ前を向き生きようとする皆さんの言葉は、私たちに力を与えてくれます!

編集/ラグーナ出版
A5判・並製本A5判並製 128頁  
ISBN978-4-910372-52-5C0093
定価800円(本体727円+税) 2025年10月20日刊行

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内容



特別企画
ファーレアッシエーメ~一緒に考え、行動しよう~
「再発見される言葉たち」日伊大会 第1回 講演録④

ESP/アンドレア・プエケル氏の講演を収録。

特集 コラボ企画「再発見される言葉たち」大会報告
日本ネットワーク事務局&アウトリーチ研修委員会

連載 文学と精神 「文明」という病夏目漱石『吾輩は猫である』鈴木優作

座談会 表現して生きること (後編)
京都芸術大学 芸術学部 文芸表現学科・准教授中村純氏、学生さんらと語り合った記録。

連載 医療福祉を愛する人たち
就労継続支援B型事業所・管理者、比嘉正彰さんをご紹介(鹿児島市)

連載 探求 統合失調症とはどんな病気か?
中井久夫を患者の視点から読み解く「急性期の支え

連載 漢字の語源から精神文化を探る「看」について山本史也
福祉事業所紹介 就労継続支援A型事業所サポートベースアサヒ「朝陽ワイナリー」(薩摩川内市)
連載 体と心に優しいレシピ 「パンプキンタルト」 土井和子

特別企画書評「アートの根っこ」青木 恵理子
※その他投稿作品 全国から集まった149作品から厳選し、掲載。


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