シナプスの笑い Vol.52
精神障がい体験者がつくる心の処方箋
梅一輪一輪ほどのあたたかさ。
―中井久夫・著作より
特集は、垣根を越えて語り合おう「こころを学ぶということ?こころの専門家・臨床心理士への問い」。さまざまな場所で臨床経験を持つ、鹿児島大学大学院臨床心理学研究科教授・久保陽子氏に、心理士としての思想、臨床作法、こころに寄り添うということについてお話を伺った。こころの病の回復に深くかかわる心理士は、普段どのようなことを考え、どのような思いで私たちに伴走してくれているのか。こころの回復過程、カウンセリングの心得、ピアと専門家の違い…など、久保氏の実直なお話に力をもらいながら、自分のこころと向き合う時間にしてほしい。
特別連載シリーズ「高次脳機能障害を理解する」の第1回では、「明日に希望を灯す動画作成委員会」の清水博史氏が、発症前、後の体験談を語る。清水氏は2013年に脳損傷で高次脳機能障害を発症した当事者。ある日突然、障がい者となり、暗闇に突き落とされた後、もう一度希望を持ち回復に向かって歩き出すその道程を、同じ病の当事者と共に動画にしてアーカイブする活動は全国的に注目を浴びている。第2回・3回もお楽しみに。
「文学と精神」では、太宰治の『HUMAN LOST』を読み解く。薬物中毒により入院させられた精神病院での出来事や心情を基に書かれた作品、“狂気”の真相が興味深い。
座談会は、「読書が私に教えてくれたこと」をテーマに、本好きのメンバーが好きな本について熱く語り合った。各メンバーがお薦め本も紹介するので、ぜひ回復の一助に。
心と体に優しいレシピは「おからピザ」。自宅でも簡単にできるピザに、春の菜の花を載せて。ぜひお試しあれ!
他、投稿作品「元父はスーパースター(完結編)」「お守り幻聴ぱぷりこ徒然日記」「あなたが笑顔でありますように(前編)」など、全国から集まった241作品を厳選しご紹介。連載作品も大募集中!奮ってご応募ください!!
編集/ラグーナ出版 A5判・並製本A5判並製 128頁 ISBN978-4-910372-39-6 C0093 C0093 定価800円(本体727円+税) 2月20日刊行
内容
連載特集 垣根を越えて語り合おう
〝こころを学ぶ〟ということ こころの専門家・臨床心理士への問い
今回は、〝こころ〟の専門家として多くの臨床経験を持つ、鹿児島大学大学院臨床心理学研究科教授、久保陽子氏にお話を伺った。
新連載 高次脳機能障害を理解する明日に希望を灯して
明日に希望を灯す動画作成委員会 清水博史
連載 文学と精神小説と病の〈距離〉
太宰治『HUMAN LOST』鈴木優作
お知らせ「一緒に考え、行動する―再発見される言葉たち イタリア地域精神医療とともに」
4 /5(金)・6(土)・7(日)、鹿児島で開催される「再発見される言葉たち 日本大会」をご案内。イタリアから5名が来日、希望を分かち合おう!
連載 医療福祉を愛する人たち
鹿児島市で福祉事業所を営む、看護師の森山智普さんをご紹介。
座談会 読書が私に教えてくれたこと
連載 探求ー統合失調症とはどんな病気か?
中井久夫を患者の視点から読み解く回復への有為転変
連載 漢字の語源から精神文化を探る「朝」について山本史也
連載 就労継続支援事業所 B 型「キッチンみらいず」(鹿児島市)
連載 体と心に優しいレシピ トースターで作る「おからピザ」 土井和子
投稿作品
ショットの世界 竜人
全国から集まった241作品から厳選し掲載