シナプスの笑い Vol.51 好評販売中

シナプスの笑い  Vol.51

精神障がい体験者がつくる心の処方箋


文章で人間を造形するのはすごく難しい。
             ―座談会より

特集は、前号の“垣根を越えて語り合おう”第二弾、「宗教家への問い?祈るということ」。地域に開かれた静かな祈りの場所で、生きることに困難を抱えた人たちに真摯に寄り添い、深い愛情で支えてこられた、レデンプトール宣教修道女会の地区長「澤ヤエ子」氏にお話を伺った。「祈ること」の深い意味、そこから生まれ出てくる「恵み」「生きる力」について考えてみたい。

特別企画「宮澤賢治 心象風景の古層」は、シナプスの笑い50号記念として開催した特別講演会を収録。第二号から連載「字解」を執筆してくださっている山本史也氏による、宮澤賢治の精神世界をたどる旅は、漢字の歴史と相まって深い味わいの独特の内容となっている。質疑応答も含め、違う角度からの賢治の考察に耳を傾けたい。

また、注目の新規連載「文学と精神」をスタート。毎号、精神疾患を扱った文学作品を一冊ずつ取り上げ、その中に描かれた声――かつて狂気と名指され、奪われ続けた精神疾患患者の声――を、表現や時代背景とともに読み解いていく。著者の鈴木優作氏(鹿児島大学「鹿児島の近現代」教育研究センター特任助教)は、著書の『探偵小説と〈狂気〉』が2022年の第75回日本推理作家協会賞の最終候補作にもなった文才。社会的な評価とは異なる、精神疾患の正の面に焦点を当てた解説など、これからぜひ、毎号楽しみに!

他、座談会は、精神科医で劇作家、くるみざわしん氏をゲストに招いて開催。「医者任せにして病気は治るのか?」。次々と患者から繰り出される率直な問いに、精神科医はどう答えるのか? 希望のある着地点にたどり着くその過程を、自分ごととして考えながら読んでほしい。

編集/ラグーナ出版
A5判・並製本A5判並製 128頁  
ISBN978-4-910372-35-8 C0093 C0093
定価800円(本体727円+税) 10月20日刊行

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内容


連載特集 垣根を越えて語り合おう
祈るということ 宗教家への問い
鹿児島市唐湊「レデンプトール宣教修道女会」のシスター、澤ヤエ子氏に「祈ること」「生きること」についてのお話を伺った。

新連載 文学と精神
異常と正常の相対性 井伏鱒二『遙拝隊長』 鈴木優作

講演録 宮澤賢治―心象風景の古層山本史也

連載 世界の精神医療・保健福祉を学ぶ
信頼と希望̶尊厳を守るイタリア地域精神医療の現場
イタリア地域精神医療・保健福祉の展開、関わる人々の声を現地取材し、紹介。
連載 医療福祉を愛する人たち
臨床経験を生かした大学教員として北海道でご活躍中の、橋本達志さんを紹介。

座談会 精神科医へ問う
精神科医で劇作家のくるみざわしん氏をゲストに迎え、精神科医と患者の関係性、回復への手がかりなどについて語り合った。

連載 統合失調症とはどんな病気か?
中井久夫を患者の視点から読み解く集団の中の患者

連載 漢字の語源から精神文化を探る「陽」について山本史也
連載 就労継続支援事業所 A 型「時之栖」(鹿児島市)
連載 体と心に優しいレシピ うるち米(普通米)で作る「ねったぼ」 土井和子

投稿作品
ショットの世界 竜人
 
全国から集まった129作品から厳選し掲載


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