元日本史教師の著者が、46日間の徒歩旅行で先人たちの歩みを追体験。
江戸時代、参勤交代を命じられた薩摩藩の一行。
全国で最も長い道のり。往来は300回以上にわたった。
その藩史を仔細にひもといた研究書『薩摩藩の参覲交替――江戸まで何日かかったか』の著者が、みずからの脚で旅を追体験すべく、東京をめざす。
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上野堯史 著 A5判(148×210ミリ) 並製 360頁
定価2,970円 (本体2,700円+税)
ISBN978-4-910372-10-5 C0026
2023年1月21日発行
〇内容
日向街道・山陽道・東海道。
鹿児島・福山を発し、めざすは東京・薩摩藩邸跡。
ときには1,000人超の大所帯で国許と江戸を往来した薩摩藩参覲交替の道筋を、平成にひとり辿った、46日間の徒歩旅行の記録。
〇本書の特徴
・平成当時の街道風景や史跡を記録した写真を掲載(総数400点超)。
・旅程各所の地点名や、歩数、到達・所要時間を仔細に記録。
・旅をした2000~2007年当時の記録を尊重しつつ、その後名称が変わった施設や店舗、道路などの一部について、新しい名称(2020年前後に確認)を追記。
〇目次
・私の参勤交代の旅について
・第1章 日向街道を歩く(1~5日目)
福山-都城-高城-高岡-都於郡-佐土原-高鍋-都農-細島(日向市)
・第2章 山陽道を歩く(6~14日目)
坂越-相生-姫路-宝殿-土山-明石-神戸三宮-西宮-大阪加島-京橋
・第3章 東海道を歩く(15~46日目)
京橋-枚方-楠葉-伏見桃山-大津-草津-三雲-土山-関-石薬師-朝日-桑名、宮-豊明-岡崎-本宿-豊橋-新居-浜松-袋井-日坂-六合-宇津ノ谷-清水-由比-吉原-三島-箱根-小田原-平塚-戸塚-神奈川-品川-芝-日本橋
・旅のまとめ
○本文「私の参勤交代の旅について」より
私は、歴史は時間と空間の産物であり、ある歴史の地点に立てば、歴史を追体験できると信じている。
参覲交代の道跡を辿る私の旅は2000年5月5日(日曜日)に始まった。(中略)
参勤交代の道を昔通りに歩くのは現在では無理がある。まずは可能な限り昔の道を研究して歩くが、不都合があればその近くの道を歩く。こうしてできるだけ昔の旅を再現するようにした。
〇著者
上野 堯史(うえの たかふみ)
1942年生まれ。鹿児島県立甲南高等学校、熊本大学法文学部史学科国史学専攻卒業。
1965年県立川辺高等学校教諭となり、以後鹿屋・甲陵・大島・国分の各高等学校を経て、1992年県立武岡台養護学校、1998年県立鹿児島聾学校教諭を務める。
2002年に退職後、2003年10月~2004年3月鹿児島高専非常勤講師。
著書に『鹿児島士人名抄録』(高城書房、2005年)、『薩摩藩の参覲交替――江戸まで何日かかったか』(ラグーナ出版、2019年)。共著に「薩軍城山帰還路調査」(薩軍城山帰還路調査会編、南方新社、2010年)。
〇前著紹介
道程を通して語る薩摩藩の参覲交替
『薩摩藩の参覲交替――江戸まで何日かかったか』
https://store.lagunapublishing.co.jp/items/38932855
江戸の政治・経済・文化の発展を促した、参覲交替の実態に迫る!
江戸から最も遠い場所にあった薩摩藩の参覲交替。大名たちの過酷な苦労をしのび、元日本史教師の筆者が熱い思いと莫大な時間をかけ、一つ一つその足跡をひもとく。1605(慶長10)年から1864(元治1)年までの、非参覲交替を含む331回の記録をたどった、郷土藩史研究の基本史料。
定価 (本体1,800円+税)
A5判(148×210ミリ)、116頁 ISBN 978-4-904380-78-9 C3021
2019年ラグーナ出版刊