ラグーナ出版ブログ:2025年5月8日「ぽかぽか」

皆さんこんにちは。編集部のリンゴです。
私は電車で通勤しています。いつも同じ仕事帰りの風景。
今日はその中の思い出深い出来事を紹介します。

電車に乗ろうとした時のこと。この時間帯は座れるかが勝負。
座れるかな?、空いていますようにと念じながら、空きがちな一号車へ。
2人席の一つが空いているのが目につきました。
席につくと、もう片方の席に座っている女性がにこりと微笑みかけてきました。そして、座ったと同時に話しかけてきたのです。
「お姉さん、ちょっと聞いてくれる?」
「どうしました~?」
「あのね、恥ずかしい話なんだけど。○○方面に帰ろうと電車に乗ったら逆方向へ行く電車だったみたいで△△駅まで行っちゃったの。もう10年も通ってるのにこんなこと初めてだわ。歳かしら。病院が早く終わって早く帰れると思ったのに。こんなの初めてで恥ずかしくて。あ~嫌だ! 誰かに話したくて」
彼女の顔は真っ赤。とても恥ずかしそう。
「それはビックリしますね~。大変でしたね。たしか△△駅って新しくなったんじゃないですけ?いいな?私もいつか行ってみたいな」
続けて、△△駅で出会った親切なカップルのお話を、目をきらきらと輝かせながらしてくれました。
「本当に素敵なカップルだったわ。いい出会いだったわ~」
「素敵な経験でしたね~」
そして、やがて彼女自身の病気、病気に対する考え方や人生観の話へ。
いつの間にか私も、「人生っていろいろありますね。私もこれまでいろいろありました。」
とポロリと本音をこぼしていました。
「人生これからよ。いろいろあると思うけど。ぜーんぶ自分の糧になるからね」
目を輝かせながら話す彼女の言葉に、心がぽかぽかするのを感じました。
彼女の降りる駅まであっという間。
「素敵な人に出会えてよかったわ~」と握手してくれて、下車した後も私に向かって満面の笑顔で手を振る彼女に、また心がぽかぽかしました。
あんなにきらきらとした目の女性にいつかなりたいな。
なんでもない通勤電車の時間が、1人の女性との出会いでこんなにも心温まるんだと、素敵な出会いに感謝しました。漫画の世界にでも入ったかのような出来事でした。

「人は人に傷つけられ、人で癒やされる」という言葉が頭の中にうかびました。
以前は、外に出るときは、戦闘モードで鎧を被り、冷や汗をかくくらい辛く怖かった外の世界が、仕事や社会に出ることを通して最近は少しずつ優しく思えるようになりました。

 

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