昭和金融恐慌と薩州財閥―川崎造船所・十五銀行崩壊の軌跡

昭和金融恐慌と薩州財閥―川崎造船所・十五銀行崩壊の軌跡

四六判(128×188ミリ)
196頁
定価  (本体1500円+税)
ISBN 978-4904380963 C0021
2020年10月1日発行

「昭和金融恐慌と薩州財閥―川崎造船所・十五銀行崩壊の軌跡」
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恐慌と過剰なる夢の終焉

明治中期から昭和初期、軍国主義体制が加速するなか、政財界に君臨し、日本を動かした「薩州財閥」。
国策企業として軍艦造船にあたった川崎造船所を舞台に、川崎正蔵、松方正義一族の興亡に光をあて、昭和金融恐慌の裏側で起こった出来事を検証する。

銀行の無担保融資による経営破綻、松方コレクションの収集と売却、戦後最大の川崎労働争議などの軌跡を丹念に追い、「島津藩、西郷隆盛、明治維新」に偏りがちな鹿児島の歴史研究のなかで新たな視点を探る。

著 者

米村  秀司

1949年生まれ。1971年3月、同志社大学卒。1971年4月、KTS鹿児島テレビ放送入社。報道部長、編成業務局長、企画開発局長などを経て現在、鹿児島シティエフエム代表取締役社長。
【主な著書等】
「テレビ対談・さつま八面鏡」(鹿児島テレビ放送(編・著)、1979年10月)
「欽ちゃんの全日本仮装大賞」(日本テレビ放送網(共・編)、1983年9月)
「博学紀行・鹿児島県」(福武書店(共著)、1983年11月)
「スペインと日本」(行路社(共著)、2000年3月)
「消えた学院」(ラグーナ出版、2011年7月)
「ラジオは君を救ったか?」(ラグーナ出版、2012年6月)
「岐路に立つラジオ」(ラグーナ出版、2015年5月)
「そのときラジオは何を伝えたか」(ラグーナ出版、2016年9月)
「権力に対峙した男─新・西郷隆盛研究─上巻」(ラグーナ出版、2017年9月)
「権力に対峙した男─新・西郷隆盛研究─下巻」(ラグーナ出版、2018年3月)
「第39回地方の時代映像祭 シンポジウム抄録」(ラグーナ出版、2020年1月)

はじめに(本文より)

今から93年前の1927(昭和2)年、昭和金融恐慌が起きた。
きっかけは不況下の日本で、当時の大蔵大臣の失言によるものだったが、これを契機に「薩州財閥」の中核企業だった川崎造船所と十五銀行が経営破たんした。
川崎造船所の創業者は薩摩人の川崎正蔵(1837‐1912)。十五銀行の頭取は総理大臣を務めた薩摩人の松方正義(1835‐1924)の長男・松方巌(1862‐1942)だった。
川崎造船所と十五銀行の救済は国政を巻き込み、迷走に迷走を重ねた。
伊藤博文(1841‐1909)を筆頭とする長州閥の政治家と距離を置いた川崎は、薩摩閥の政治家に接近し業績を伸ばした。その後川崎造船所は、川崎重工業として世界的な企業に発展した。
川崎は三菱造船所を創業した岩崎弥太郎(1835‐ 85)とは宿敵で、岩崎を支えたのは土佐閥と長州閥だった。国政が藩閥政治で動いた明治期。大正期に入っても藩閥政治が水面下で続いた。
川崎は総理大臣松方正義の家系と深く結びついた。大久保利通(1830‐78)を頂点に五代友厚(1836‐85)や松方正義とつながる薩摩閥の系譜を利用し、川崎は「薩州財閥」を築いた。
「薩州財閥」の一族は明治期から昭和初期まで政財界に君臨したが、今はその言葉さえも消えた。
世界的な企業に発展した川崎重工業。その創業者川崎正蔵の生涯は、松方正義の長男・松方巌が頭取を務めていた十五銀行による無担保融資、松方正義の三男・幸次郎(1866‐1950)による川崎系企業の経営支配、さらに日露戦争や満州国建国など当時の世界情勢と複雑に絡みあった。
これらの出来事と薩摩人脈を重ねることで明治期から昭和初期に君臨した「薩州財閥」の実像が浮かび上がる。
本書は川崎造船所の歴史を軸に薩州財閥の中心人物・川崎正蔵と松方幸次郎を追う。
二人は明治後期から昭和初期にかけて激動の時代を歩んだ政商でもあった。

目 次

序 章  消えた川崎正蔵ゆかりの地
  第一章  薩州財閥の崩壊の軌跡
  第二章  なぜ十五銀行は経営破たんしたか
  第三章  明治期の川崎造船所と薩摩閥政治家
  第四章  松方正義と川崎正蔵の密接な関係
  第五章  経営支配と無担保融資の実態
  第六章  迷走した川崎造船所の救済
  第七章  第一次世界大戦最大の川崎労働争議
  第八章  薩州財閥と松方コレクション
  第九章  松方正義ゆかりの地・鹿児島
  あとがき  「薩摩の芋づる」と歴史研究

「昭和金融恐慌と薩州財閥―川崎造船所・十五銀行崩壊の軌跡」
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