出世ができずに「うつ」になった中年ビジネスマンへ  ―精神科医との365日

出世ができずに「うつ」になった中年ビジネスマンへ

四六判(128×188ミリ)
136頁
定価  (本体1200円+税)
ISBN 978-4-904380-75-8 C0095
2018年4月27日発行

「出世ができずに「うつ」になった中年ビジネスマンへ  ―精神科医との365日」
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突然閉ざされた、出世への扉―。
「うつ」状態に陥った会社人間が試行錯誤の末にたどりついた境地とは?

順風満帆に見えたエリートサラリーマン人生に待っていた、思わぬ落とし穴。社内力学の情勢変化により、人生の全てを賭けていた出世競争レースから突然外されて挫折した著者の精神は、本人の意思に反してもろくも崩れていった。

うつ状態となった著者は、それまで抵抗感のあった心療内科の門をくぐり、精神科医の治療を受けながら、鎧として身にまとっていた上昇志向的会社人間のプライドを少しずつ脱ぎ捨て、等身大の自分と向き合う努力をする。
精神科医とのやり取りの中で自分の生き方を整理したり、治療につながる書籍を読みふけったりするなど、回復するためにさまざまな方策を試みる過程で、著者の人生観・仕事観は徐々に変化を遂げ、それまでの近視眼的な会社人間の生き方を相対視し、本当の自分の人生を歩む心構えが醸成されてゆく。

五〇代を迎え、会社員人生の終わりが見えてくるなか、長い人生の後半戦をどう生きるべきか…。図らずもうつ病の発症をきっかけに自らの人生の意義について真正面から取り組み、回復を遂げた著者が、同じようなアイデンティティ喪失問題に悩む多くの現代人に贈る、赤裸々な試行錯誤の過程の記録。

著 者

寺島  はじめ

東京下町生まれ。早稲田大学理工学部卒。
大手メーカーに勤務、全社的品質マネジメントの担当部長。
中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー。

プロローグ(本文より)

  中年の社員が、突然落ち込み「うつ状態」になることを、ジャーナリズム用語で「ミドルエイジ・シンドローム(中年症候群)」という。そのなかには、昇進直後に発症する「昇進うつ病」や、仕事に打ち込みすぎて発症する「過剰適応症候群」などいくつかのタイプがあるようだ
  私が発症した「上昇停止症候群」もその中のひとつである。昇進を目標として一生懸命働いてきた人が、これ以上の昇進を望めないことに気づいたときに発症するものらしい。特に、挫折なく順風満帆に出世街道を走ってきたエリート社員や負けず嫌いのサラリーマンに多く見られるという。
  私は、典型的な〝会社人間〟で、会社のために昼夜働き、発熱しようが、頭痛があろうが、出勤して上司の指示事項をこなしてきた。土日も出社するか、自宅でパソコンに向かった。これだけ私生活を犠牲にしているのだから、出世することは当たり前だと微塵も疑わなかった。そのおかげか、同期の中で、もっとも若い年齢で課長に昇進し、その後も順調に部長に昇進した。部長になった後も、会社人間は変わらず、このまま順調に会社人生が続くものと疑っていなかった。
  そんな順風満帆に見えたサラリーマン人生だったが、ある事件で風向きが変わった。腹心として仕えていた上司が、ある問題の責任を取らされて左遷されてしまったのだ。新しく来た上司は、自分のやりたいことをするために、自分の腹心を回りにおくべく組織変更を行った。そして、私は、部門の中核部署である企画管理部門からルーチン業務を行う部署へ異動となった。元上司の右腕だった私は、新しい上司からは邪魔な存在であり、疎まれたということだ。会社の中ではよくあることだと気にしないふりをしながらも、内心は左遷させられたと考えていた。
(略)
  この時点で、この会社にいてもこれ以上の昇進はない……。そんな絶望といらだちが、「上昇停止症候群」発症のきっかけであった
  発症の経緯については、第一章で詳しく述べるが、はじまりは、特に暑くもない通勤電車の中で冷や汗がにじみ出てきたことだった。何も考えられず、ただ電車の座席に座っているだけ。這いつくばって会社にたどり着く毎日が続いた。
  待望の土日は、家のベッドで寝ているだけ。なにもしない週末が続いた。さすがに女房も「うつ状態」であることを察して、病院へ行くように強く勧めた。これがきっかけで、メンタルクリニックに行くことになったのだ。
(略)
  本書では、そんな私が、試行錯誤を繰り返し、「上昇停止症候群」を乗り越えた経緯、特に、尊敬できる精神科医(以下、K医師)との出会いとやりとりとをありのままに書いてみた。
  うつ状態から脱し、新たな目標に向かっている途中で偉そうなことは言えないが、私の試行錯誤の内容や精神科医とのやりとりが、同じ症状に悩んでいる方、あるいはサラリーマン人生に疑問を抱いている方、定年をもうじき迎える方など、多くの方々に少しでも役立つなら幸いである。

目 次

プロローグ

第一章  想定もしなかった「うつ」状態
  「うつ状態」の原因
  「上昇停止症候群」
  初めてのメンタルクリニック

第二章  試行錯誤の日々
  尊敬する人から学ぶ
  中年で挫折した人から学ぶ
  うつ治療の本から学ぶ
  中年の生き方の本から学ぶ

第三章  精神科医の診察開始
  K精神科医との出会い
  一カ月後
  二カ月後
  三カ月後

「出世ができずに「うつ」になった中年ビジネスマンへ  ―精神科医との365日」
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