岐路に立つラジオ  - コミュニティFMの行方 -

岐路に立つラジオ - コミュニティFMの行方 -

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ラジオ開局90年!さて、これからどこへ?
~ コミュニティFM研究第2弾 ~

全国各地でコミュニティFM局の開局が続く。AM局のFM局移行や県域FM局の経営悪化などラジオを取り巻く環境が変わろうとしている。ピーク時より1,200億円ダウンしたラジオ広告費。大正14年から始まったラジオはこれからどこへ向かうべきか?ラジオの今後の行方を探る。
『ラジオは君を救ったか? ~大震災とコミュニティFM~』に続く、著者のコミュニティFM研究第2弾。

(公)日本図書館協会選定図書(第2954回 平成27年6月17日選定)。

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四六判(128×188ミリ)
237頁
定価 (本体1600円+税)
ISBN 978-4-904380-41-3 C0036
2015年5月15日発行

著 者

米村 秀司

1949年生まれ。
1971年同志社大学卒。1971年、KTS鹿児島テレビ放送入社。報道部長、編成業務局長、企画開発局長などを経て現在、鹿児島シティエフエム代表取締役社長。
1999年、ローマ法王ヨハネパウロ2世に特別謁見。
【主な著書等】
「博学紀行・鹿児島県」福武書店(共著)1983年11月
「スペインと日本人」行路社(共著)2003年3月
「消えた学院」ラグーナ出版 2011年7月
「ラジオは君を救ったか?」ラグーナ出版 2012年6月
「そのときラジオは何を伝えたか」ラグーナ出版 2016年9月

序(本文より)

日本で初めてコミュニティFMが放送を開始したのは平成4年12月24日、函館市に開局した「FMいるか」で、以来今日までに約300のコミュニティFM局が開局(平成26年7月10日現在)している。しかし経営はどこも苦しく、各局苦戦を強いられている。にもかかわらず、なぜ各地でコミュニティFMの開局が続くのか?

情報発信による地域の活性化、地域の防災機能の強化などが主な理由として挙げられている。しかし放送局を経営するためには大前提として健全な財務内容が必要なことが忘れ去られている。
その結果、開局はしたものの数年後には廃局を余儀なくされるという事態が各地で発生している。

「放送局の経営者になれる」という美名に誘われ出資し開局させたものの、人件費の支払いさえ困難な状態で放送を続けているコミュニティFMも一部にある。

改正放送法ではコミュニティFMは基幹放送局として位置づけられ、地上波の県域放送局と同様の枠組みのなかで、法令順守や機材の整備が求められた。

私がかつて勤めた県域のテレビ局(KTS鹿児島テレビ放送)は売上高が年間約50億円から55億円、経常利益が約3億円から4億円であったが、現在勤めているコミュニティFM(鹿児島シティエフエム)は売上額が約1億円弱、経常利益が約300万円である。売上高で50分の1、経常利益で100分の1の経営規模である。
つまり県庁所在地のコミュニティFMでさえも県域の放送局とは比較にならない大きな経営格差がある。例えれば「大相撲の横綱と中学校の相撲部員が同じ土俵で相撲をとる」ような、経営規模が違うなかで法的な規制は同じように敷かれた。

公共の電波を使う立場からは当然の措置ではあるが、課題も多い。
いかにして売上高を増やし経営基盤を安定させるかは全国のコミュニティFMの経営者はもちろん、そこで働く社員やスタッフたちの共通の悩みでもある。

一方、県域FM局でも赤字経営で苦戦している局がある。これまでは県人口が百万人に満たない局でこの傾向が見られたが、最近では県人口が百万人を超える局でも苦戦し、資本金を減資するなどして財務の改善を余儀なくされている。

県域FM局やコミュニティFMが抱える問題と今後の経営の在り方などを探る。

目 次

はじめに

第一章

ラジオ放送の開始前夜
後藤新平の開局演説
なぜ報道がないのか?
「放送文化」の発行とGHQ検閲
証言!民放ラジオの草創期
記憶に残る名コメント
県域ラジオ局の経営状況
赤字に苦しむ県域FM局
AMラジオ局のネットワーク
県域FM局の経営破綻
ラジオ局合併
県域AM局のFM化

第二章

コミュニティ放送の技術基準とは
コミュニティFM経営は今
経営の実態と財務状況
総務省の分析
決算書でみるコミュニティFM
■西宮コミュニティ放送(兵庫県西宮市)
■エフエム世田谷【世田谷サービス公社】(東京都世田谷区)
■エフエム宝塚(兵庫県宝塚市)
■コミュニティエフエムはまなす(北海道岩見沢市)
■エフエム新津(新潟県新潟市秋葉区)
■エフエムみしま・かんなみ(静岡県三島市)
■おおたコミュニティ放送(群馬県太田市)
■エフエムあやべ(京都府綾部市)
■エフエムもりぐち(大阪府守口市)
■エフエムむさしの(東京都武蔵野市)
■鹿児島シティエフエム(鹿児島県鹿児島市)
■あまみエフエム ディ!ウェイブ(鹿児島県奄美市)
■特定非営利活動法人おおすみ半島コミュニティ放送ネットワーク(鹿児島県鹿屋市・
志布志市ほか)
閉局したコミュニティFM

第三章

誰がコミュニティFMに出資しているか?
コミュニティFMの歴史
総務省情報流通行政局地域放送推進室 石山英顕室長に聞く
誰からどんな指導を
現場からの声
広告メディアの限界と防災
災害とコミュニティ放送
災害とインターネットラジオ
地域と歩む「元気なコミュニティFM」
■FMいるか(北海道函館市)
■エフエムチャッピー(埼玉県入間市)
■FMなかつ(大分県中津市)

第四章

大学教授のコミュニティFM研究
日本コミュニティ放送協会・白石勝洋代表理事に聞く
ラジオ媒体の課題
精神疾患の患者へ届けるラジオ番組
鹿児島シティエフエムの社会実験
時代が求めるメディアへ

あとがき

主要参考文献ほか